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ミネラル |
<Mineral>英語圏で一般に天然に産出する鉱物を呼びます。鉱物学・地質学では、鉱物として存在する元素(周期表参照)の単体と化合物のうち、無機化学的に生成するもののみをミネラルとしてあつかいます。よって石油や石炭は、動植物を構成する有機物の分解で生成するため、厳密な意味ではミネラルに含まれません。(もっとも石油に関しては、動物化石資源ではないとする説もでていますが・・・)
日本では、食物中にふくまれる少量の「無機質」をさして、ミネラルとよぶことが多いようです。代表的なミネラルはカルシウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、リン、塩素、鉄などで、人間が1日に必要とする量はわずかですが、体液の浸透圧やペーハーの調整(酸性とアルカリ性参照)、筋肉の収縮、神経の刺激伝達など、体内での重要な役割をはたしています。また生体を構成する成分としても重要で、たとえばリンとカルシウムは骨組織に、鉄は赤血球や筋肉のタンパク質にふくまれています。これらのミネラルが体内で不足すると、さまざまな欠乏症状があらわれることになりますので、ここではヒトの体内において不可欠なミネラルについて記します。
また家庭科の復習になりますが、「栄養素」はタンパク質、炭水化物、脂肪、ビタミン、ミネラル(無機質)の5つの大きなグループにわけられています。そのうちミネラルは、体の構造をつくっているかたい組織や、やわらかい組織をつくり、筋肉の収縮、神経の反応、血液の凝固などにも関係します。また、酵素と結びついて代謝(食物の消化、吸収、老廃物の排泄、エネルギー生産など、生命活動に必要なあらゆる化学反応)を手助けする補助的役割もあります。
これらのミネラルはすべて食事からとらなければならず、カルシウム、リン、マグネシウム、鉄、ヨウ素、カリウムなど体内での量が多いものと、微量元素とよばれる銅、コバルト、マンガン、フッ素、亜鉛などごく少量のものとの2種類にわけられます。下の表は必須アミノ酸のように必須ミネラル(または不可欠ミネラル)と呼ばれているもので一般に12〜14種類程度挙げられます。
最近の質問に、「ミネラルウォーターがからだに良いものだから、ミネラルオイルもとても良いものだと思うのですが、いかがでしょう?」というものがありました。要は、皮膚につけたときに、皮膚からミネラル成分が吸収できるかも知れないと考えたようです。皆さんはどう思われますか?ちなみに「ミネラルオイル」とは主に石油から精製される「流動パラフィン」のことです。こう聞いてしまうと、今度は「石油からつくられたものだからからだに悪そう」と思ってしまう方が多いのです。実際は、現在ではミネラルオイルは精製度が非常に高く、植物系のオイルよりも安定していて安全(皮膚に効果があるかどうかは別ですが)なものです。
ミネラルウォーターの普及で、「ミネラル=からだに良いもの」と認識してしまうと誤解が生まれます。生命活動に絶対に必要なものでも、過剰摂取するとマイナス要因もあるので、サプリメントで摂取する場合は十分注意が必要です。穀類・魚介類・根野菜を普通に摂取していれば、通常ミネラル不足になることはありません。そういう意味では、やはり日本食は健康的であると言えるでしょう。日本人は欧米人と比べ、食事でミネラルが満たされてきたので、ミネラル不足を「水」で補ってきた欧米人とは消化器からの吸収力が違うという説もあります。つまり、日本人はミネラルウォーターからのミネラル摂取が行われにくいそうです。(諸説あるので本当のところはわかりませんが・・・)。
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名称 |
記号 |
多く含む食品 |
特性 |
不足時 |
過剰時 |
必要量/1日 |
%/体重 |
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カルシウム |
Ca |
乳製品・青野菜・魚類 | 代謝促進、神経・筋肉作用調節、歯・骨格形成 | 骨粗鬆症、高血圧、動脈硬化、 | 腎結石 |
600〜1500mg |
2% |
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リン |
P |
肉類・タンパク質・骨・食品添加物 | 代謝作用、歯・骨格形成、腎機能、神経伝達 | 通常不足することはない | 鉄・カルシウム不足 |
700mg |
1.1% |
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カリウム |
Ka |
魚類・肉類 | 電解質、細胞の電気的作用、血圧調整、代謝、発育 | 高血圧、心不全、不整脈、うつ病、疲労 | 高カリウム血症 |
2〜3g |
0.35% |
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ナトリウム |
Na |
食塩・その他ほとんどすべての食品 | 電解質、血圧・血液量を保つ、筋肉・神経機能補佐 | 通常不足することはない | 高血圧 |
1100〜3300mg |
0.15% |
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マグネシウム |
Mg |
緑黄色野菜。大豆製品・木の実 | 代謝、筋肉の収縮・弛緩、タンパク質合成 | 食欲不振・精神障害・循環器障害 | 無、カルシウムとのバランスが崩れないように注意 |
250〜350mg |
0.05% |
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鉄 |
Fe |
貝類・内臓肉・赤身肉(V.Cやタンパク質とともに摂るとより吸収) | ヘモグロビンによる酸素運搬、タンパク質・酵素を構成 | 鉄欠乏性貧血、疲労、眩暈、体重減少、免疫低下 | 鉄中毒 |
10〜15mg |
少量 |
|
ヨウ素 |
I |
貝類・海草類・魚類 | 代謝、甲状腺ホルモン産正、甲状腺機能維持 | 甲状腺種、甲状腺機能低下、甲状腺肥大 | 無、まれに甲状腺機能低下 |
150μg |
少量 |
|
銅 |
Cu |
貝類・内臓肉・豆類・木の実 | 赤血球産生、抗酸化酵素補助、免疫システム維持 | 通常不足することはない | 肝臓・腎臓障害、神経疾患 |
2mg |
微量 |
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フッ素 |
F |
海産食品・紅茶・ゼラチン | 骨の構造維持、虫歯予防 | 虫歯増加、骨や歯の不安定さ | 20〜80mgを毎日数年摂取すると中毒の可能性、骨軟化症 |
1.5〜4mg |
微量 |
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亜鉛 |
Zn |
肉類(特に牛肉)・木の実・豆類 | 免疫システム維持、細胞分裂・成長・治癒酵素活性化、味覚・嗅覚、炭水化物の代謝 | 成長遅延、治癒力低下、脱毛、味覚障害、免疫力低下、ED | 無、700mg以上摂取しても下痢程度 |
8〜12mg |
微量 |
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クロム |
Cr |
内臓肉・卵・鶏卵・緑黄色野菜 | 代謝、脂肪酸・コレステロールの合成促進、酵素補助 | 耐糖能障害 | 長期にわたって高濃度のものを吸入すると、鼻中隔せん孔をひきおこす。毒性が強く、直接さわると皮膚炎。 |
0.05〜0.2mg |
微量 |
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セレン |
Se |
魚・貝・肉・穀類・卵 | 抗酸化作用、酵素支援、抗体形成、重金属や毒素の排泄、生殖機能促進 | ケシャン病、心筋異常 | 皮膚炎症、悪心、疲労 |
通常不足することはない |
微量 |
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モリブデン |
Mo |
甲状腺ホルモンの構成元素 | 代謝促進 | 代謝不良 |
同上 |
微量 |
|
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コバルト |
Co |
コバラミン(V.B12)の成分、赤血球生成 |
同上 |
微量 |
|||
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マンガン |
Mn |
酵素補助、生殖機能 | 生殖機能低下 |
同上 |
微量 |
※その他、人体を構成する元素としては、酸素(O)が65%・炭素(C)が18%・水素(H)が10%・硫黄(S)が0.25%・塩素(Cl)が0.15%となっています。
2001/6/5
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