化粧品の定義

 「傷んだ髪の回復をたすけるシャンプーです。」(某メーカーパンフレットより)この広告は不適正な字句を含んでいます。何処でしょうか?・・・ シャンプーの効果には<回復する旨の表現>は認められていないのです。石けんなども洗浄の効果のみに制限されているのですが、実際には「シミ・ニキビ・湿疹に・・・」という字句等を掲載した広告・パンフレット等数多く存在します。

 薬事法によると「化粧品とは、  人の身体を清潔にし美化し、魅力を増し、容貌を変え、または皮膚もしくは毛髪をすこやかに保つために、身体に塗擦、散布その他これに類似する方法で使用されることが目的とされているもので、人体に対する作用が緩和なもの」と定義されています。青文字の部分は基礎化粧品・緑文字の部分は粉飾化粧品を示しています。

 ということは、皮膚や髪の手入れとは、<清潔にすることとすこやかに保つこと>と言うことになるわけで、清潔にすることは解りますが、すこやかにすると言うことの解釈は「現在あるがままの状態を保つ」ことであり、逆説的にとればシミをとったり、シワをのばしたり、傷んだ髪・荒れた肌を治したりする事ではないということです。また、<作用が緩和なもの>とは使っても使わなくてもたいした効果が解らないもの、という解釈にもなります。要は文字通り化けて粧うものが化粧品であり、効能・効果を求める場合は医薬品・医薬部外品に頼るべきなのです。

 今時、「無添加」という言葉だけを売り文句にしているようないい加減なメーカーは無くなったと思いますが、私たちはこういった行き過ぎた、宣伝広告・パンフレット・CM等に踊らされてしまってはいないでしょうか? 不適正な宣伝以上に怖いのは、効果を期待して使用しているにもかかわらず、化粧品による皮膚障害が年々増えていることです。

 インターネットの普及で、あらゆる情報を手に入れることができるようになった反面、自分なりに咀嚼して正しい情報をとして利用するのが難しくなってきています。たとえば、ある添加剤は発癌性が高いとか、毒性が強いとかの表現がよくありますが、第三者的な確かな機関(怪しい機関も多いので)で具体的に調べた数値をきちんと掲載しているところはあるでしょうか? 製造者・販売者のうたい文句や脅し文句には騙されていないでしょうか?


 前ページにあるように4月から全成分表示が義務づけられましたが、それ以前に認可された商品においては、旧表示方法でよいことになっています。しかし、自社製品に自信があるのなら同じ内容成分の商品であっても、全成分表示に切り替えるべきです。穿った見方をすれば、やましいところがあるから記載できないのか? となります。確かに、今まで「無添加」「自然派」「天然成分」をうたい文句にしていた商品は、成分がばれてしまうのが怖いので、全成分表示向けの新製品の開発が終わるまで旧表示のまま通すことでしょう。良心的な一部のメーカーは、別紙の形で成分表を添付しているところもあります。本当に消費者のことを考えるならば、良いところも悪いところも伝える義務があるのではないでしょうか? 成分を記載しても「どうせ一般消費者には理解できないだろう」と消費者をないがしろにはしていないでしょうか?

 ここではメーカーや製品・販売者を非難するのが目的ではなく、我々が安全な生活を送るための判断材料としてほんの少しでも役立つ知識を勉強していくのが目的です。けして、それらを非難するものではありません。もちろん商品・器具を斡旋・販売するためのものではありません。

 Chemistryのページでは、こういったことを踏まえた上で、皮膚や髪・身体の健康に関することで、化粧品の成分から薬品・治療法から食事・栄養に関することまで、読まれた方の判断材料として多少なりとも役に立てるような情報を提示していきたいと思います。メーカーの宣伝文句に踊らされず、また悪徳商法に引っかかることがないように、そして健康的な生活が送れますよう・・・・・。

 また、プロ(美容師・理容師・化粧品関係・エステ関係)の方々にも是非知識として身につけて欲しいと思います。人体の一部に薬剤を使用するにあたって、プロとして最低限の理論を勉強して、多くの方に喜びを与えてもらうことができますよう・・・・・。

 このHPでは、化粧品・薬剤・技法・器具などについて特定のものをお勧めすることはありません。あまたにある理・美容室のHPや、化粧品・健康食品・健康器具・理美容薬剤メーカーなどのHPを見てみると本当に化学(バケガク)理解しているかどうか怪しいものが非常に多く、自らを正当化して他をこき下ろすだけのものがあまりに多いので、それらに対するアンチテーゼとしてできるだけ客観的に判断しているつもりです。もちろんここの情報が完全である保証はできませんが、少なくとも「商売」につなげるために作成したものではありませんので、ご安心ください。また、<あっちのHPにはこんな風に書いてあったよ!>というような疑問や矛盾などがありましたら、遠慮なく質問してください。

 多少難しいところもあると思いますが、一緒に勉強していきましょう!

2001/6/5


理・美容師向け化学情報 美容掲示板 Top ▲
化学って何? 界面活性剤 パーマにおける注意点 食品添加物 毛髪科学書籍紹介 シザーズ
化粧品とは? アミノ酸とタンパク質 おしゃれ染め・白髪染め ビタミンとは? 美容師向四択問題 資料室
化粧品原料小辞典 酸性とアルカリ性 紫外線と日焼け ミネラルとは? 携帯メール用データ
美工房 四季彩 count