食品添加物とは?

<食品添加物>=食品の製造の段階において、食品の加工や保存・着色・風味づけなどの目的で、食品に添加や混合などの方法で用いるもの。

 1998年4月現在で、食品衛生法で食品添加物として使用がみとめられている合成添加物は349品目、化学的合成品以外の天然系添加物は、1489品目だそうです。日本では食品衛生法(1947年公布、現行法は72年改定)によって、合成添加物については種類、品質、用途、使用基準、毒性テストなどの規制をおこなっています。添加物の認可前の安全性評価試験は急性毒性、慢性毒性、発癌性、催奇形性、変異原性(突然変異をおこす性質、発癌性の目安となる)、次世代以降への影響をみる繁殖試験、アレルギー性をみる抗原性が義務づけられています。天然系添加物については従来規制がありませんでしたが、1995年に新たに規制対象とすることになりました。食品の輸出入の増大にともない、WHO(世界保健機構)とFAO(国連食糧農業機関)が世界中の添加物の安全性評価をおこない、情報提供や提言をしています。
 一般的な日本人は食品添加物を1日に70〜80品目、11g程度摂取していると言われ、その量は1年でなんと約4kgにもなるそうです。1991年7月から表示方法が変わって、「天然」が使えなくなり、「化学合成品以外」が正規の呼称になりました。表示の仕方は「化学合成品」と「化学合成品以外」の区別はなく、「物質名」で表示されます。原則として全成分表示なのですが、下のように4つの方法に分かれて表示されます。

  1. 添加物の良否を判断して食品を選択するときの情報源として、用途も知る必要が高いと判断される添加物については、物質名とともに「用途名」(下表参照)も併記されます。
  2. 他に、物質名を表示する必要が低いと見なされるものは、それらの機能や用途をまとめて表す「一括名」(下表参照)で表示されます。
  3. 用途名併記・一括名表示の対象外になる添加物は、使用目的(用途)を書かずに物質名だけで表示されます。
  4. 使用されていても、表示が免除になっている物質。

旧表示と新表示の例(ウインナーソーセージの場合)

解説
合成保存料 保存料(ソルビン酸K) 用途名併記。保存性を高めるために、「ソルビン酸カリウム」を添加。
合成着色料 着色料(アナトー、赤3)
またはアナトー色素、赤色3号
「アナトー色素」と「食用赤色3号」を併用している。物質名に<色>の文字が入る場合、用途名「着色料」は省略できる。
酸化防止剤 酸化防止剤(V.C) 用途名併記。酸化防止と発色向上のため、「ビタミンC」が使われている。
発色剤 発色剤(亜硝酸Na・硝酸Na) 用途名併記。赤い肉色を保つために「亜硝酸ナトリウム」と「硝酸ナトリウム」を併用している。
表示義務無し リン酸塩(K)、ガゼインNa 物質名のみで用途名は併記されない。保湿性を上げるために、「ピロリン酸カリウム」を添加。「ガゼインナトリウム」で脂質と水の分離を防止。
表示義務無し 酸味料(アミノ酸等) 一括名表示。「(アミノ酸等)」となっているのは、「グルタミン酸ナトリウム」を主体にイノシン酸などと混合使用されているため。(アミノ酸とタンパク質を参照)


主な添加物一覧

 以下の表の「毒性の可能性」については、ラットなどによる動物実験のデータによる可能性です。すべてが必ず人間にあてはまるということではないので、「疑いがある」という考えで良いと思います。ちなみに着色料の○色○号は、一般にタール系色素と呼ばれる合成着色料で12種類あります。

1,着色料

名称 別名 用途 主な食品 毒性の可能性 参考
赤色2号 赤2、食用赤色2号、アマランス 着色料 菓子、清涼飲料、冷菓、洋酒 発ガン性、遺伝毒性 一般的着色料。アメリカでは使用禁止
赤色3号 赤3、食用赤色3号、エリスロシン 着色料、歯磨きチェッカー 焼き菓子、和洋菓子、農水産加工食品 赤血球減少・ヘモグロビン値低下、発ガン性 ドイツ・ポーランドで使用禁止、赤3にアルミニウムを配合したアルミニウムレーキはアメリカで使用禁止
赤色104号 赤104、食用赤色104号、フロキシン 着色料 かまぼこ、ソーセージ、でんぶ、和洋焼き菓子 遺伝子損傷・遺伝毒性・染色体異常・光毒性 熱に強い。先進国でおおむね禁止
赤色105号 赤105、食用赤色105号、ローズベンガル 着色料 かまぼこ、ソーセージ、でんぶ、和洋焼き菓子 発ガン性 熱に強い。先進国でおおむね禁止
赤色106号 赤106、食用赤色106号、アシッドレッド 着色料 でんぶ、福神漬け、味噌漬け、桜エビ、ハム、ソーセージ、和洋菓子 発ガン性、遺伝子損傷・遺伝毒性・染色体異常・甲状腺重量低下 先進国でおおむね禁止
黄色4号 黄4、食用黄色4号、タートラジン 着色料 漬物、練りウニ、佃煮、ドロップ、和洋菓子、冷菓、飲料 アレルギー性物質、発ガン性? 多く使われている
黄色5号 黄5、食用黄色5号、サンセットイエローFCF 着色料 菓子、清涼飲料、農水産加工品 発ガン性? 多く使われている
青色1号 青1、食用青色1号、ブリリアントブルーFCF 着色料 菓子、清涼飲料、医薬品 繊維肉腫、発ガン性? EC諸国で使用禁止
青色2号 青2、食用青色2号、インジコカルミン 着色料 和菓子、焼き菓子、あん類、冷菓 発ガン性? 比較的使用量が少ない
緑色3号 緑3、食用緑色3号、ファストグリーンFCF 着色料 菓子、清涼飲料 繊維肉腫、発ガン性?、染色体異常? 先進国でおおむね使用禁止
その他着色料 アナトー、アナトー色素、うこん、カカオ、カラメル、コチニール、赤色102号、赤色40号、鉄葉緑素、銅葉緑素、ビタミンB


2,防かび剤・酸化防止剤・漂白剤・保存料

名称 別名 用途 主な食品 毒性の可能性 参考
OPP オルトフェニルフェノール 防かび剤 柑橘類すべて 発ガン性、成長抑制 白カビ防止、直接塗布、浸漬
TBZ チアベンダゾール 防かび剤 柑橘類とバナナ 遺伝毒性? 緑カビ防止、直接塗布、浸漬
EDTA-Ca・Na エチレンジアミン4酢酸カルシウム2ナトリウム 酸化防止剤 缶詰、ビン詰類 遺伝毒性、催奇形性、遺伝毒性? カルシウム排泄作用
BHA ブチルヒドロキシアニソール 酸化防止剤 パーム油系のみ 発ガン性、消化器出血、肝臓うっ血 過去に全面禁止になったが外圧により再認可
BHT ジブチルヒドロキシトルエン 酸化防止剤 油脂、バター、魚介(冷凍品・乾食品・塩蔵品)、ガム LD50値2000mg(界面活性剤参照) パッケージ販売でないものは表示がないので注意が必要
イソケルセチン   酸化防止剤 油脂、飲料、冷菓、畜肉加工品 ?精製度による ドクダミ・そば・小豆などから抽出
没食子酸 没食子酸プロピル 酸化防止剤 油脂類、バター(食品製造用に多く市販食品には少ない) 熱に弱い。BHTと併用される
亜硫酸塩 亜硫酸Na、亜硫酸ソーダ、次亜硫酸Na、ハイドロサルファイト 酸化防止剤、保存料、漂白剤 幅広い食品(ワインにはほぼ必ず入ります) 嘔吐と下痢? 色々な効果があるので幅広く使われる。
亜硫酸塩 二酸化硫黄、無水亜硫酸、ピロ亜硫酸K、亜硫酸K、メタ重亜硫酸K、ピロ亜硫酸Na、重亜硫酸Na、亜硫酸水素Na、メタ重亜硫酸Na、酸性亜硫酸ソーダ 酸化防止剤、保存料、漂白剤 幅広い食品 成長抑制? 色々な効果があるので幅広く使われる。
ソルビン酸   保存料 魚肉練り製品、魚介乾製品、漬物、つくだ煮、ウニ、味噌、燻製、ジャム、ケチャップ、乳酸飲料 肝臓肥大と成長抑制?亜硝酸Naとまざると発ガン性? 幅広く使われる。
その他防かび剤 OPP-Na、DPなど
その他酸化防止剤 EDTA-Na、NDGA、エリソルビン酸、エリソルビン酸Na、抽出トコフェロール、トコフェロール、ビタミンCなど
その他保存料 安息香酸、安息香酸Na、ソルビン酸K、パラオキシ安息香酸(パラベン)、プロピオン酸、プロピオン酸Ca、プロピオン酸Naなど


3,甘味料・発色剤・増粘剤・物質名のみ

名称 別名 用途 主な食品 毒性の可能性 参考
サッカリン   甘味料 菓子類、ジャム、魚肉練り製品、つくだ煮、缶詰 発ガン性、神経障害? 甘みは砂糖の500倍、過去一度禁止されたが再認可
アスパルテーム   甘味料 清涼飲料、冷菓、氷菓子、ガム 甘みは砂糖の200倍
コンドイチン硫酸Na コンドロイチン硫酸ナトリウム 「物質名表示」保水乳化安定剤、消臭剤 ソーセージ、マヨネーズ、ドレッシングのみ リンパ球減少、催奇性? 「物質名表示」のものはほぼ使用基準がないので幅広く使われる。
重合リン酸塩 縮合リン酸塩 「物質名表示」結着剤、乳化剤、変色防止 食肉製品、インスタントラーメン、酒、炭酸飲料、豆腐、チーズ、漬物 血中カルシウム低下? 利用効果が幅広いので、非常に多くに使われる
シリコーン シリコーン樹脂、ポリジメチルシロキサン 「物質名表示」消泡剤 醤油、ぶどう酒、乳製品、清涼飲料、豆腐、ジャム、インスタント食品 加工助剤として使われることが多い
ニコチン酸 ニコチン酸アミド、ナイアシン、ナイアシンアミド 「物質名表示」ビタミン強化剤、発色剤、色調保持剤 菓子・パン類、食肉加工品 LD50値3500mg 亜硝酸Naより弱い毒性
リン酸塩 ピロリン酸Na 「物質名表示」結着剤、変色防止、膨張剤、ph調整剤、かんすい、乳化剤 魚肉練り製品、乳製品、味噌、醤油、ジュース 腎障害? 利用効果が幅広いので、非常に多くに使われる
亜硝酸Na 亜硝酸ナトリウム 発色剤、色調保持剤、保存料 食肉、ハム、ソーセージ、ベーコン、コンビーフ、魚類、いくら、すじこ 発ガン性、LD50値180mg〜2500mg 毒性強くアメリカでは使用禁止
カラギナン 紅藻抽出物、カラゲニン、カラギーナン、カラゲナン ゲル化剤、増粘剤、乳化安定剤、沈殿防止剤 デザート食品、冷菓、ゼリー、スープ、ソース類、ドレッシング類、果実・乳飲料 発ガン促進効果?  
ポリアクリル酸Na ポリアクリル酸ナトリウム 粘弾剤、組織改良剤、水分保持剤 パン、ケーキ類、麺、インスタントラーメン、マカロニ・スパゲティ 粘膜刺激? 加工助剤
その他甘味料 甘草、キシロース、サッカリンNa、ステビアなど
その他「物質名表示」物 アンモニウムミョウバン、過酸化ベンゾイル、ガゼイン、過硫酸アンモニウム、グリシンなど
その他増粘剤 アルギン酸エステル、アルギン酸Na、CMC-Ca、CMC-Naなど
その他発色剤 硝酸K、硝酸Naなど



食品添加物で考えられる3大毒性

1,発ガン性

 食品添加物における安全評価は100%というのが成り立たないので、長年取り続けたときにどのような影響があるかが問題になってくると思います。よく言われている発ガン性において、「どの添加物をどれだけ取ればガンが発生する」のは個人差やテスト内容によって大幅に異なってくるので、正確に数値化するのが不可能なので、非常に難しい問題だと思います。ただ、体内に直接取り入れたとき(食事でという意味ではない)に明らかに発ガン性の高い添加物も存在します。ラット試験では、OPP・BHA・過酸化水素・臭素酸塩などは発ガン性が認められています。

2,遺伝毒性

 遺伝毒性とは、遺伝子損傷・染色体異常など子孫に影響する可能性がある毒性のことで、発ガン性にも関係があります。ガンは細胞の突然変異で起こるもので、DNAの損傷によってもガン細胞の発生につながる可能性が推定されます。逆に言えば、発ガン性が高ければ遺伝毒性をもつ可能性があるかもしれません。このあたりは今後の研究によって関連性が解ってくると思います。

3,アレルギー

 現在、日本人の3人に1人はアレルギーをもつといわれますが、卵や大豆といった食品だけでなく、添加物自体に対するアレルギーが一部確認されているようですが正式なデータはありません。一説によると戦後の添加物使用が増えたことで、アレルギー体質になりやすくなったのではないかという意見もあるようです。この辺も今後、検証が必要でしょう。



添加物に対する個人的意見

 上記を見てどのように感じたでしょうか?「できれば添加物は取りたくない」と考えるのが一般的消費者ではないでしょうか?特に日本だけで認可されている物に関しては安全性に疑問があるものがあると思いますし、本来消費者にとってプラスになるように入れられるべき添加物が、製造者や販売者に利益になるように使われているような気がしてなりません。 実際の食生活で、いますぐどうこうと言うことはないにしても、体内に蓄積されることも考えられるし、一部の添加物反対運動をしている人たちは、「昭和34年以降の生まれの人は添加物のせいで50才まで生きることはできない」などと言っている人もいます。(極論は無視しましょう!)

 また、消費者側も「添加物」という単語にとらわれて、本当に大事なことを忘れていないでしょうか?「添加物」=「毒物」のイメージが日本における消費者の意識の根底にあって、それはあくまでイメージとして作られたものだということを再認識したいものです。たとえば、歯磨き粉に「グリチルリチン酸ジカリウム」(化粧品原料小辞典参照)が入っていると効果があるような気になるが、食品添加物として記載されていたらどう感じますか?また、「ビタミンE」配合と記載されているものと「酢酸dl-αトコフェロール」と記載されたものではどう感じるでしょうか?

 我々消費者は、メディアから植え付けられた「言葉のマジック」に惑わされないようにしたいものです。どこのメーカー(販売者)も自分のところが一番で、それ以外のものは認めない傾向があります。特に大手メーカー以外の「化粧品」「健康食品」関係にこの傾向が強く見られます。他を否定するのではなく、他を認めた上で己の優位性を説いているメーカーがどれだけあるでしょうか?こういうメーカーこそ信頼できると思うのですが・・・・・。

 ここでは、添加物の恐ろしさを知らせるのが目的ではなく、また添加物を良いものと判断しているわけではありません。公表されている毒性や発ガン性などは、ラットに皮下注射して実験することが多く、微量ずつ消化器吸収して治験するわけではないので、実際私たちが摂取する場合とズレが出ます。消化器官内は外気と通じている(からだの内部ではなく外側とも考えられる)ので、それほどヤワではありません。しかし、発ガン性や毒性が明らかなものを微量といえ、連続して摂り続けることは避けなければなりません。要は、消費者が快適で幸せな生活を送るために、「選択」するための個人個人の基準の一指標を、おのおのが作れるようになる必要があるでしょう。

 究極の選択です。例題1:ここに2つの豆腐があったとします。1つは100%無添加です。もう1つは防腐剤が入っています。常温で3日間放置されたものをどちらか食べなくてはいけない場合。例題2:天然の草だけで育てた牛からとり、添加物を入れて製品となった牛乳と、農薬を使用した草を食べ、ホルモン注射をして育てた牛からとった搾り立ての生乳。例題3:減塩され、添加物を入れられた味噌を使ったみそ汁と、茶碗1杯で1日の塩分摂取量を超えてしまう昔ながらの味噌を使ったみそ汁。さぁ、皆さんはどちらを選ぶでしょうか?

 上記の添加物の中でも毒性が強いと言われる「亜硝酸塩」を例に取ってみます。一人あたり平均<0.3mg/日>摂取しているそうですが、LD50値から勘案すると最低でも今の600倍〜8000倍以上の量を摂取すると危険と判断できると思います。ちょっと量的に不可能ですね!また、旨味の元であるアミノ酸(特にグルタミン酸)も悪の根元のように言っている人が大勢いますが、「中華料理店症候群」と言われる症状も体質的(白人では千人に一人ぐらいの人が遊離グルタミン酸を処理できない人がいる)な問題もあるので毒物と決めつけてしまうのはどうかと思います。

 ワインには酸化防止剤として「亜硫酸塩」が入っています。本当のワイン通に人に言わせると、本物のワインほど長期間熟成させるために「酸化防止」に気を使うそうで、亜硫酸塩の入っていないワインでは難しいそうです。にわかグルメの人ほど「添加物が入っているワインは飲めない」と言うそうです。ナショナル出版「怖い食品1000種」には、添加物が入っているワインは偽物と書いてありましたが、もう少し勉強してから書いて欲しい(他の記事もひどいものでしたが)ものです。まず、添加物の毒性を云々するよりもアルコールの急性毒性の方に目を向けなければ本末転倒です。微量の亜硫酸塩の毒性よりも、大量のアルコールの毒性の方が強いのですから・・・。気になる人は飲まなければいいでしょう。これが「選択」だと思います。どうせアルコールを飲むならおいしく飲みたいものです。

 結局、同じものを食するならおいしい方がよい。もちろんその上で安全性は高い程良い。無添加・無農薬ならなおベスト。結局すべてクリアすることは不可能なので、どこで折り合いをつけるかでしょう。添加物を一切避けては食べるものがなくなります。しかし、知識を身につけて選択することはできます。ちなみに管理人は、「買うときは一通り見る」ようにしていますが、あまり神経質にはなりません。添加物を避けようとすればするほど、栄養のバランスを取るのが難しくなるからです。そのために病気になってしまったら・・・・。

 添加物を年間4kg摂取するのと、医薬品を年間4kg摂取することは、どちらが害があるのでしょうか?

2001/6/5


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